C = 「Cメジャー」の由来について考える
C major scaleは、自然倍音に近いスケールとなっており、このことから「major scaleは、自然倍音に近く、よく使われる(majorなほうの)スケールである」と説明されることがあります。
この説はたぶん正しいと思うのですが、そのあとmajor scaleが成立したあとピアノが作られ(C major scaleの音が白鍵に並ぶように)、ピアノ譜が書きやすいように楽譜がいまの形になったので、結局のところ、major scaleを楽譜をベースとして考えるほうがわかりやすいと思います。
つまり、major scaleは長三度、長六度、長七度という長音程(majorの音程)がふんだんに使われているのでmajorであると考えたほうがコードネームが理解しやすくなります。
C7 = C + m7なのは何故なのか?
CメジャーとCマイナーの和音のコードネームについて考えてみましょう。
三度が長三度になるか短三度になるかで和音の性質ががらっと変わるので、三度が長三度(major 3rd)であるか短三度(minor 3rd)であるかをコードネームを書くときに真っ先に表したいです。
このCメジャーとCマイナーのコードをCM、Cmと書く流儀があります。(ギター譜とかで)
五度は完全五度が選択されているなら、これはrootの3倍音なのであまり和音の性質を決定づけるものではないので、4和音において三度の次に重要なのは七度です。
この七度が長七度であるか短七度であるかによって、M7とm7を書かないといけないことになります。
つまり、このとき、さきほどの流儀だとM3 + m7だとCMm7のように書くことになります。
文字数が多いので、三度のときのMは省略するという規則を考えてみます。そうするとCM7と書かれていればC + M7だとわかります。しかし、短三度+短七度が選択されているときは、Cmm7と書かなければなりません。
うざいですね。ところが、短三度のmを省略することにしてしまうと単にCと書いたときにCメジャーの和音なのかCマイナーの和音なのかわかりません。ですので、M3のMを省略するならm3のmは省略できないということがわかります。
次に、じゃあ、七度のほうもMは省略していいのではないかと思われるかも知れませんが、そうすると、Cm7と書いてあるときにCm + M7の意味なのか、CM + m7の意味なのかが確定しなくなってしまいます。
そこで、三度のほうで省略したほうとは異なるほうを七度では省略しないといけないということになります。
これらの理由から、三度で頻繁に使う和音は長三度(M3)のほうなので、三度ではMは省略、七度ではMとは違うほう(短七度のm)を省略するという規則が誕生しました。
ほとんどの和声学の入門書のコードネームの説明ではこの部分の説明が欠けているので、三度のMと七度のmを省略する合理的な説明がないままになっており、そのため、CM7と書いてあるコードをCM + m7と誤解する人が後を絶たちません。
結論
現代のコードネームの規則には以上のような合理性があります。この部分を理解すれば自ずとコードネームが理解できます。
Cメジャーは、基本形より第二転回の方がハーモニクスの低倍音と一致する様に思うのだが、なぜ高い方が基本形と呼ばれるのだろう。
謎だ・・・・。
第二転回形って、g-c-eですよ?gの16倍音まで見るとして、g-cは完全四度でこれは16倍音までに出てきませんし、g-eは長六度で第13倍音にしか出てきません。c-e-gとは比べ物にならないです。
3Cの倍音を考えると
2倍音 4C
3倍音 4G
4倍音 5C
5倍音 5E
6倍音 5G
なので、4倍音から3つ選ぶと基本形、4つ選ぶと7th、3倍音から3つ選ぶと第二転回と考えたんです。
ああ、なるほど、意味わかりました。まあ、c単音のハーモニクスにどれだけ似ているかという観点から考えると、1倍音〜4倍音あたりを無視するわけにはいかないので、c-e-g(基本形)がやっぱり一番似ているのかなと。実際、ミュージシャンはG7を大きなg(単音)のように捉えている(ことがよくある)と思いますし。
>コードネームの命名規則
私は学問として学習してないのですが、
私の感覚でコードネームの表記について感じていたのは
通常当たり前のことは省略できるということです。
例えば数学で言うと自然数という当たり前のものが
最初にあって後からから負の数字の概念が生まれる。
そうすると通常は正の数字は1,2,3…と表し
負の数字は-1、-2、-3…と表す。
あえて意識しない限りは通常+1,+2,+3…とは表さない。
コードの場合、トライアドから始まり
7thはドミナント7thから始まっていると思う。
(Mが基本になっているのは主さんの通り)
こういう基本になる部分はそれが当然なので
何かと区別する必要が無く省略される。
ところが四声和音に発展した時に
7thが長なのか短なのかの区別が必要になった。
C7は最初にあったのでC△7の方が区別される方となった。
つまり
マイナーかメジャーかではマイナーが区別される方で
短7度か長7度かでは長7度が区別される方になった。
この法則でいくと
Cmajmaj7は最初のmajが省略できて
後のmajが区別のための表記になり
C△7はC(maj7)ということになる。
同様にCmm7もCm(7)ということになる。